第2巻は、第一篇「スワン家のほうへ」の「スワンの恋」と「土地の名ー名」で構成。この小説のもう一人の主人公(断言はできませんが)隣人スワンの若かりし頃の恋のお話です。
第1巻に比べて読むのに随分時間がかかったのは、①バードウォッチングが始まって読書時間が減ったこと②内容が面白くなかったから、です。
ざっと言うと、舞台としてサロンを用意し社交人士スワンと恋人となる高級娼婦オデットを登場させ二人のあれやこれや恋の攻防を語りながら、作者プルーストが子どもの頃から親しみ身につけた芸術関係(絵画や音楽)の知識を相応しい場面で好きなだけ披露した、という一冊でした。ストーリーより蘊蓄、そんな感じ。※どうもストーリーは二の次という作品のようです。
不満な箇所を具体的に列挙しようかと考えたが、それも無粋なお話。また、面白い面白くないはとても個人的な話でもあるし(実際、この「スワンの恋」は読みやすく面白いのでここだけでも読め、と薦める人多し)。なので、どのように頑張ってこの1冊を読んだかを挫折しそうな方のために書いておこうと思います。
岩波版は脚注がとても多く親切です。図版も豊富。私はパソコンをそばに置き、文章中に出てくる絵画や音楽を検索し、絵画なら大きな画面に表示しつつ、音楽ならそれをながしながら読書を続けました。こうした助けを借りるのはとても有効。興味が途切れがちな際に役立ちます。プルーストが知識を思い切り披露するなら、それに合わせる。なるほど、なるほどと感心してあげる、そんな付合いの仕方です。
※おかげで、プルーストがフェルメール(スワンをフェルメールの研究家という設定にしている)に詳しかったとか、作曲家のフランクやサン=サーンスと同時代なんだとか知りました。
この作戦が功を奏して、どうにか乗り切りました(少しフランスコミック版で済ませたところもありますが)。
さてさて「ここまでは読もう」と宣言した第2篇「花咲く乙女たちのかげに」まで、まだ文庫本で2冊(1000ページ強)あります。たどり着けるか不安です。