ヤエムグラ

漫画の「ザッケン!」に刺激を受けて、撮りためた雑草写真をふり返るシリーズも数えてみれば17回目。漫画のテーマに合わせているので実際の季節無視でやっています。今日も初夏に見かける花、ヤエムグラ(八重葎)です。

花は1~2ミリ、しゃがまないと花だとわかりません。目を近づけると(▼)、

葉にトゲが見えます。葉だけでなく茎にもトゲトゲがありまして、このトゲで他の草に絡みついて上に向って伸びていくのだそうです。しがみついて天を目指す、すごい知恵です。漫画「ザッケン!」では、花をとってブローチのように制服の襟に付けていました。なるほどね。

種にもトゲがあって(▼)、引っつき虫になります。

源氏物語の「蓬生」の巻には「しげき蓬は軒を争ひて生ひのぼる。葎は東西の御門を閉ぢ込めたるぞ(後略)」と末摘花の住む屋敷の荒廃ぶりを記しています。ムグラは千年の昔から生い茂る雑草の代名詞だったのです。