いま読んでいる三冊の本

同時進行で読んでいる三冊、いい具合に面白さが違うので楽しい。

「欲望という名の音楽」二階堂尚(草思社

ジャズの話だ。日本の戦後のジャズ復興期から話し始めて、アメリカのジャズ勃興期(クスリとジャズ、ギャングとジャズ)、日本の芸能界とヤクザなどなど。フランク・シナトラも出て来れば美空ひばりも出て来る。日・米のジャズとアンダーグラウンドの世界を行ったり来たり、興味の尽きない内容だ。面白い。久しぶりに面白い本に出会った。

「歌わないキビタキ梨木香歩毎日新聞社

作家の梨木さんのエッセイ集。毎日新聞日曜版やサンデー毎日に載せている「炉辺の風おと」の2冊目の単行本だ。八ヶ岳の山荘生活のあれこれを含めたエッセイで構成されている。野鳥や野草の話が読みたくて1冊目を買ったのだが、家族のことや世の中のことをさりげなく綴った箇所も読み応えがあり、今回その続きがまとまったようなので買って読んでいる。中身は、濃い。

「いつか死ぬ、それまで生きる わたしのお経」伊藤比呂美朝日新聞出版)

お経と現代語訳とエッセイからなる1冊です。お経とは「語りもの」ではないかと気づいた伊藤さんがそのつもりで訳した現代語がなかなかのもの。現代語訳というより現代詩訳ですね。わかりやすくなっているか、と言えば、そうでもない。そこがお経の難しさなんだろうが、伊藤さんの格闘の跡が見えて、よい。※布団の中で仰向けで読もうと思って電子書籍にしたが、慣れないので疲れる。ちょっと失敗。

 

この同時進行3冊(ないし4冊)読み、というのを最近やっていなかった。暑すぎる夏には頭が混乱して無理だったのだが、過ごしやすくなって復活。